「貯金だけってのも何だなー」「でも、投資とかするのも色々面倒くさそう」など、将来に漠然としたお金の不安を抱えていて、どうしたらいいのかそのヒントを探している人に向けた書籍です。
バカでも稼げる「米国株」高配当投資は、米国の超大型優良連続増配高配当株に投資して配当を再投資するだけの普遍的で誰もが簡単にマネができる投資法について紹介しています。
また、本書は文画サンド(文字と漫画)形式でまとめれているので、本を読むのが苦手な人でも、2時間もあれば読了出来るような読みやすい本になっているため、「そろそろ副業でも始めてみようかな」と考えている20~40代のサラリーマンにはピッタリの内容だと思います。
本書を読んで実践すれば、誰だってゆっくりと最短の道を通ってお金持ちになることが出来ます。
本書はこんな人にお薦め
- FIRE(SIDE FIRE)を目指している人
- 資産運用を考えている人
- 株式投資を考えている人
- 投資信託を考えている人
- 投資初心者の人
- 漠然としたお金の不安を感じている人
はじめに
本書は、英語力ゼロ・投資知識ゼロでも元手10万円から始められる超シンプルな米国株投資の本です。
「アメリカの株式投資か…なんか難しそう💦 」「英語出来ないしなぁー💦」「日本株のほうが親しみが持てるよ!」など、米国株と聞いて何だか難しいイメージを持った方はちょっと待ってください。
たしかに、「ニューズウィーク」であったり「NYタイムズ」などを本国から取り寄せて、これから爆発的に成長するアメリカ企業に投資するのは至難の業だと思います。
ですが、「Google」、「Apple」、「Facebook」、「Amazon」などのIT業界のトップに君臨する4つの巨大企業であったり、「コカコーラ」、「ペプシコ」、「P&G」、「ジョンソン&ジョンソン」など日本でも名前を聞いたことのある有名企業(何十年連続で「高配当」を実施している優良企業)に分散投資することは誰にでも出来ると思います。
そして何より、配当投資をするのであれば「日本」ではなく「アメリカ」が絶対条件なのです。
なぜなら、25年連続で増配当を繰り返す企業は、米国100社以上に対し、日本は花王の1社のみという現実があるからです。
著者のバフェット太郎さんは「米国株投資で儲けるなんて、スタバでフラペーチノを飲むくらいカンタンさ!」と本書の中で言っています。
事実、バフェット太郎さんはサラリーマンでありながら、米国株投資で2年連続純利益1,000万円を稼いでいます。
株式投資初心者や多忙な会社員、米国株に投資しているものの負け続ける中級者まで、幅広くお薦めできる1冊です。
バカでも稼げる「米国株」高配当投資の内容紹介
庶民がお金持ちになれるたった一つの方法
アメリカの典型的な億万長者というのは、プール付きの大豪邸に住むセレブのような人達ではなくて、ごく普通の家に住み、共働きで年収は平均的、普段着はお世辞にもお洒落とは言えない、どこからどう見てもごく普通の人達なのです。
アメリカの多くの億万長者達は、勤勉に働き、倹約に努め、堅実に運用した結果、お金持ちになっている事を踏まえると、お金持ちになる方法を一言で言うなら「勤勉に働き、倹約に努め、堅実に運用する」という事になり、別の言い方をすれば「収入を最大化し、支出を最小化し、運用利回りを最大化する」という事になります。
収入を最大化し、支出を最小化する方法
本書「バカでも稼げる「米国株」高配当投資」では、「収入を最大化し、支出を最小化する」具体的な方法は記載されておりませんので、代案書籍として両@リベ大学長著「本当の自由を手に入れる お金の大学」を参考にして頂ければと思います。
両@リベ大学長の「本当の自由を手に入れる お金の大学」では、①貯める(支出を最小化)②稼ぐ(収入の最大化)の項目について、具体的に何をどうすれば良いのかを、初心者の人にも分かりやすく記載されているので非常にお勧めの良書です。
管理者も、両@リベ大学長の「本当の自由を手に入れる お金の大学」を読んで「収入を最大化し、支出を最小化する方法」を実践しています。
バフェット太郎氏が提唱する投資法
バフェット太郎氏が提唱する普遍的で誰もが簡単に出来る再現性の高い投資法は、「米国の超大型優良連続増配高配当株に投資して配当を再投資する」だけ。
具体的な投資手順は以下の3STEPになります。
- 銘柄数の決定
- 景気循環別、銘柄数の決定
- 個別銘柄の決定
まさに「そろそろ副業的に投資でも始めてみようかな」と考えている20~40代の会社員の人でも簡単に出来る内容になっています。
高配当マネーマシンの作り方
まず、バフェット太郎氏が保有するマネーマシンの具体的な中身について言うと、米国の超大型連続増配高配当株10社に均等分散投資をしており、銘柄についてはバイ&ホールド(長期保有)するに相応しい銘柄で構成されています。(推奨する銘柄については後程記述)
つまり、銘柄の売買頻度を少なくすることで、税金や売買手数料などのコストを抑え、四半期ごとに受け取る配当金を再配当する事で、お金がお金を生む「マネーマシン」となっているのです。
また、マネーマシンに相応しい銘柄とは、永続的で安定したキャッシュフローが見込めることに加えて、株主還元策に積極的かどうかもポイントになります。
最適な銘柄数とは?
資産運用において分散投資は基本中の基本であるため、1~2銘柄に集中投資するという事は、投資資金でギャンブルするようなものなので、どんなに自身があってもやるべきではありません。
「分散投資によるリスクの低減効果」によると、1銘柄に集中投資した場合のリスクは大きいですが、5銘柄に増やしていく過程ではリスクが急激に低下していきます。
保有銘柄数が8~16銘柄になると、分散投資によるリスクの低減効果が次第に消え始め、20銘柄を超えると、それ以上の低減効果が気にならない位に小さくなります。
分散投資を例えて言うならカルピスのようなもので、「カルピスを源泉のまま飲めば味が濃すぎて美味しくないですし、水を足しすぎればシャビシャビになって美味しくない」と言えます。
ですので、8~16銘柄への分散投資が、カルピスで言う「美味しい薄め具合」だと言えます。
景気循環別とは?
景気循環とは、景気が良くインフレの時期もあれば、景気が悪くデフレの時期があったりと、景気というのは常に循環(変化)しているものという事。
大きく分けると「好況」「後退」「不況」「回復」の4つに分類する事が出来ますが、この4つの分類の事を景気循環別と言います。
局面 | 説明 | 投資 | 消費 | 物価 |
好況 | 景気が良い状態 | 拡大 | 拡大 | インフレ状態 |
後退 | 景気が悪くなっていく状態 | 縮小 | 縮小 | デフレ傾向 |
不況 | 景気が悪い状態 | 縮小 | 縮小 | デフレ状態 |
回復 | 景気が良くないってく状態 | 拡大 | 拡大 | インフレ傾向 |
セクターとは?
セクターとは、景気動向によって業績が大きく変動する銘柄群(業種)の事を指します。
好況時にはモノが売れるため、多くの素材や設備、工場が必要になりますが、不況時には在庫調整で需要が低迷し、生産が落ち込むことなど、景気の波によって受注が大きく左右され、業績に直結する銘柄群の事を指します。
- 景気の動向に左右されやすい業種の事
- 一般的には値動きは不安定傾向
4つの景気循環別と各セクターの有名銘柄
経済は好況→後退→不況→回復→また好況…といった具合で循環しているので、その景気循環別に強いセクターが存在します。
①「好況 」
主に、景気好況時に強く、資本財株、一般消費財株、サービス株、素材株などを指します。
資本財株セクター
主な業種:運輸、航空、防衛
- [BA]ボーイング
- [LMT]ロッキード・マーティン
- [CAT]キャタピラー
- [EMR]エマソン・エレクトリック
- [GE]ゼネラル・エレクトリック
- [MMM]スリーエム
- [UBER]ウーバー・テクノロジーズ
- [GM]ゼネラル・モーターズ
- [TSLA]テスラ
一般消費材株・サービス株セクター
一般消費財は、生活に必ずしも必要ではない消費財を扱う銘柄が含まれています。生活必需品セクターと消費財という面では共通していますが、生活に必要なものであるか、必ず必要なものではないかという違い株価に明確に違いを生んでいます。(主な業種:アパレル、小売)
- [NKE]ナイキ
- [HLT]ヒルトン・ワールドワイド
- [SBUX]スターバックス
- [MCD]マクドナルド
- [HD]ホーム・デポ
- [AMZN]アマゾン・ドットコム
- [BABA]アリババ・グループ・ホールディング
- [BKNG]ブッキング・ホールディングス
素材株セクター
- [DOW]ダウ
- [DO]デュポン・ドゥ・ヌムール
②「後退」
主に、景気後退時に強く、エネルギー株などを指します。
エネルギー株セクター
景気後退局面で強いと言われるエネルギーセクションですが、特に石油系は原油価格の動向など、地政学上のリスクが大きく、景気循環に関係なく株価は下落を続けています。一方で配当利回りはどんどん上がっており、2020年のコロナショックでロイヤルダッチシェルなどは配当利回りが15%を超えました。
- [RDS.B]ロイヤル・ダッチ・シェル
- [XOM]エクソンモービル
- [CHV]シェブロン
- [SLB]シュルンベルジェ
③「不況」
主に、景気不況時に強く、生活必需品株、ヘルスケア株、通信株、公益株などを指します。
生活必需品株セクター
生活必需品は、その名前の通り、生活に必要な商品を扱うグループです。売上が景気変動に左右されづらく、景気後退にディフェンシブ性のある特徴があると言われています。
実際にコロナショックの際にパフォーマンスをウォッチしていましたが、下落率は他の銘柄に比べても低く抑えられていましたので、ディフェンシブ性があるというのは間違いなさそうです。
- [KO]コカ・コーラ
- [MO]アルトリア・グループ
- [PG]プロクター・アンド・ギャンブル
- [PM]フィリップ・モリス・インターナショナル
- [WMT]ウォルマート
- [COST]コストコ・ホールセール
- [PEP]ペプシコ
ヘルスケア株セクター
- [ABBV]アッヴィ
- [JNJ]ジョンソン・エンド・ジョンソン
- [PFE]ファイザー
- [MRK]メルク
通信株セクター
AT&Tなどはわかりやすい通信ですが、この通信株セクターにはメディア・娯楽などの業種も含まれます。
- [T]AT&T
- [VZ]ベライゾン・コミュニケーションズ
- [GOOG]アルファベット
- [FB]フェイスブック
- [TWTR]ツイッター
- [DIS]ウォルト・ディズニー
公益株セクター
公共事業セクターは、不況時に強いと言われています。
公共事業セクターは、以前は独占的地位により高い収益性を確保していました、規制緩和による自由化が進み、昔に比べるとより競争の激しい環境となっています。
日本で知られている銘柄はほとんどありません。
- [AEP]アメリカン・エレクトリック・パワー
- [SO]サザン
④「回復」
主に、景気回復局面に強く、ハイテク株や金融株などを指します。
ハイテク株セクター
情報技術、いわゆるITですが、回復時(又は好況時)に強いといわれています。以下のように銘柄をみるとマイクロソフトやアップルなど、米国市場を牽引するような大型の銘柄が含まれています。S&P500の銘柄でも約25%がこのセクターとなっています。
- [CRM]セールスフォース・ドットコム
- [ADBE]アドビ
- [V]ビザ
- [MA]マスターカード
- [PYPL]ペイパル
- [IBM]IBM
- [ACN]アクセンチュア
- [MSFT]マイクロソフト
- [ORCL]オラクル
- [CSCO]シスコシステムズ
- [AAPL]アップル
- [INTC]インテル
- [QCOM]クアルコム
- [NVDA]エヌビディア
金融株セクター
金融は景気の回復局面で強いとされています。
- [JPM]JPモルガン・チェース
- [BAC]バンク・オブ・アメリカ
- [WFC]ウェルズ・ファーゴ
- [C]シティ・グループ
- [AXP]アメリカン・エキスプレス
- [MS]モルガン・スタンレー
- [GS]ゴールドマン・サックス
- [BRK.B]バークシャー・ハサウェイ
つまり、一つのセクター(景気循環別銘柄群)の中でいくつもの銘柄に分散投資していても、特定のセクター(景気循環別銘柄群)に偏ったポートフォリオであるなら、それを分散投資とは言わないのです。
個別銘柄をどう選ぶ?
お金がお金を生むマネーマシンを作りたいなら、バイ&ホールド(長期保有)するのに相応しい銘柄に投資しなければなりません。
そして、それに相応しい銘柄とは、事業の競争優位性が高い銘柄を指します。
では、何をもって競争優位性が高いと言えるのかというと、同業他社に比べて営業キャッシュフロー・マージンが継続的に高いかどうかで判断します。
営業キャッシュフロー・マージンとは、営業キャッシュフローを売上高で割って求めるのですが、この数値が継続的に15%以上あると、競争優位性が高いと言えます。
ですが、注意しなければならないのは、営業キャッシュフロー・マージンが高い銘柄だけでポートフォリオを構築してしまうと、特定の景気局面で大きくリスクを取る羽目になってしまう可能性があります。
そのため、営業キャッシュフロー・マージンを高い順から選ぶのではなく、景気循環別に分散をした上で、営業キャッシュフロー・マージンが比較的高い銘柄を中心にポートフォリオに組み入れるといいでしょう。
簡単なルールに従って投資する
投資で成功するためには、分かりやすい形で定めた意思決定プロセスと明文化した投資方針を一貫して必ず実行して下さい。
なぜなら、長期的に見れば投資タイミングがパフォーマンスに与える影響はほとんどないという事が知られていて、いつ投資するかという事はあまり重要とはされていないからです。
ですから、例えば「毎月最後の金曜日にポートフォリオにおける組み入れ最低銘柄を5,000ドル買い増す」などの投資方針を定めて一貫して投資を継続していく事が成功への鍵となります。
本書を読んでみての感想
本書の冒頭は「米国株投資で儲けるなんてスタバでフラペチーノを飲むくらいカンタンさ!」という衝撃の言葉から始まります。
冒頭の言葉からも分かるように、投資初心者向けの本になっているのですが「お金の増やし方」や「お金の大学」と比べると、少しレベルが高い設定になっている本だと感じました。
なぜなら、「お金の増やし方」や「お金の大学」では紹介されていない米国株の個別銘柄のポートフォリオの詳細な組み方が紹介されているからです。
本書では大きく分けて2パターンの投資の仕方を紹介されているのですが、1パターン目は、ドルコスト平均法で全米国株式インデックスファンドS&P500へ配当再投資型で長期投資していく方法です。
この場合、NISAや積立NISA口座を開設していない人は開設して投資した方が手数料がかかりません。
*NISA(年間120万迄、5年間手数料無料)、積立NISA(年間40万円迄、20年間手数料無料)
2パターン目は、米国株を中心に各セクターのバランスを考えながら8~16銘柄に分散投資をしたポートフォリオを組んで長期投資をする方法です。
この時、一つのセクター(景気循環別銘柄群)の中でいくつもの銘柄に分散投資していても、特定のセクター(景気循環別銘柄群)に偏ったポートフォリオであるなら、それを分散投資とはいいません。
バフェット太郎氏が提唱する4つ景気循環と各セクターは以下の通りになります。
①回復
*ハイテク株、金融株
②好況
*資本財株、一般消費財・サービス株、素材株
③後退
*エネルギー株
④不況
*生活必需品株、ヘルスケア株、通信株、公益株
セクター(景気循環別銘柄群)とは、それぞれの景気局面に強い・弱いがあるので自分の投資スタイルに合ったセクター(景気循環別銘柄群)の配分を決定する必要があります。
また、本書では各セクター(景気循環別銘柄群)の銘柄について営業キャッシュフローや連続増配当期間などを考慮して30銘柄が掲載されているのでポートフォリオを組む際に参考になると思います。
本書では、マネーマシンを作るために必要な事は「勤勉に働き、倹約に努め、堅実に運用する」という事が重要だとし、言い換えれば「収入を最大化し、支出を最小化し、運用利回りを最大化する」事がお金持ちになる唯一の方法だと言っています。
まずはパターン1を実践してみて、もっと運用利回りを最大化したいと思った時にはパターン2を実践してみる事をお薦めします。
本書「バカでも稼げる「米国株」高配当投資」では、2パターン目の個別株ポートフォリオの組み方が中心の書籍であるため、当記事では2パターン目を中心に解説しております。
その他参考記事
両@リベ大学長著の「本当の自由を手に入れる お金の大学」は、①貯める(支出を最小化)②稼ぐ(収入の最大化)の項目について、具体的に何をどうすれば良いのかを、初心者の人にも分かりやすく記載されているので補足本としてお薦めします。
また、厚切りジェイソン氏著の「ジェイソン流 お金の増やし方」では、1パターン目のインデックスファンドへの投資法について詳細に記載されていますので、こちらも補足本としてお薦めします。
その他参考書籍
たぱぞう氏著の「お金が増える 米国株超楽ちん投資術」も同じく米国株にフォーカスした書籍となっているため、投資本の多読として2冊目3三冊目を考えている人は読んでみて損はしないと思います。
その他参考動画
動画①【誰でも稼げる米国株投資 前編(24分40秒)】
動画②【【誰でも稼げる米国株投資 前編(24分23秒)】
オリエンタルラジオ中田 敦彦氏のYouTube大学で紹介されました。
お金がお金を生む米国株高配当マネーマシンの育て方に焦点を当てて解説している面白い動画になっています。
本書では、個別株のポートフォリオの組み方など、初心者には少し難しい内容が書いてあるため、YouTube大学の動画を視聴頂くと、より理解が深まると思います。
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