「自分は勉強が出来ない」「勉強が苦手」「勉強をしていても継続出来ない」と思ったり、悩んだりしたことはありませんか?
それは、たまたま今の勉強方法が、貴方の「学び型」に合っていなかっただけなのかもしれません。
本書では、FFS理論を用いてあなたの「学び型」を診断する特設サイトが設けられていますので、ご自身の個性が「何型」なのかを知ることによって、「自分に合った学び方を学ぶ」ことが出来るようになっています。
本書を購入すると本格的な診断も出来ますが、下記に無料の簡易診断のURLも貼っておきますので、本記事を読んで頂く際の参考にして頂ければと思います。
【簡易診断URL】https://dragonzakura.mitanorifusa.com/ffs/index.html
本書はこんな人にお薦め
- 効率の良い勉強方法がわからない
- 勉強しているのになかなか身につかない
- 計画通りに進まない
- 目標の立て方がわからない
- 勉強が続かない
はじめに
人気コミック「ドラゴン桜」とFFS理論を組み合わせた勉強方法
あなたが「勉強が出来ない」と思っているのは、勉強の「型」が身につきにくい方法でやっているからかもしれません。
「俺のいう通りにすれば、東大に必ず合格できる」
人気コミック「ドラゴン桜」は、高校の再建に乗り出した弁護士の桜木建二が、1年以内に東大合格者第1号を送り出すべく熱血指導する物語です。
桜木の指導のコアは「勉強の型(カタ)を身につける」ことです。
闇雲に努力するのではなく、まず、効率の良い学び方を体得し、そのやり方に納得してから学習を始める。
FFS理論では、人間の生来の性格の個性は、大きく「保全性」が高い人、「拡散性」が高い人に分けられます。
「保全性」が高い人は積み重ねを苦にせず、一歩一歩階段を上るようなやり方が得意です。一方、予想していない事態への対応が苦手なことがあります。
「拡散性」の高い人は、興味が次々と移り変わり、柔軟な発想ができますが、こつこつ反復練習をさせられるとみるみるテンションが下がっていきます。
このように、対照的な個性の人が、それぞれに合わない学習法を採っても成果は上がりません。
やっても結果が出なければ、学ぶことが嫌いになってしまいます。
この本では、まず学ぶ人(お子様でも、ご自身でも)のFFS理論による分析を行います。
そして、コミックの名場面を見ながら桜木の「型」をさらにかみ砕いて「保全性」「拡散性」それぞれのタイプがどのように取り入れていけばストレスなく、成果を感じつつ勉強していけるのかを紹介します。
あなたが伸びる学び型の内容紹介
FFS理論とは?
FFS理論(開発者:小林 惠智博士)は、ストレス理論をベースに研究されたものです。
人によってストレッサー(ストレスになる刺激)は違います。
例えば、同じ広さの部屋にいても、「広々として心地よい」と感じる人もいれば、「広すぎて不安」とストレスに感じる人もいます。
つまり、環境や刺激に対する感じ方や捉え方は人それぞれ違います。
その感じ方や捉え方の特性を5つの因子として軽量化したものが、FFS理論です。
5つの因子とは?
どの因子が良い/悪いということではなく、あくまでご自身の思考行動パターンに影響を与えている因子を把握するものです。
第一因子(数値が一番高い因子)が最も影響を与えますので、順番と二番目、三番目の因子との差分を見ることが重要です。
①凝縮性因子
固定・強化させようとする力の源泉となる因子。
凝縮性は、文字通り自らの考えを固めようとする力のこと。こだわりが強く、自分の中で明確な価値規範を持っています。他人に流されずブレない一方で、自分の価値観に合わないものはなかなか受け入れない頑固な一面もあります。日本人にはかなり少ないタイプです。
②受容性因子
外部を受け入れようとする力の源泉となる因子。
受容性は、無条件に受け入れる力です。優しくて面倒見が良く、柔軟性があるのが特徴です。無理難題も聞いてくれるので、経験値が高いと頼もしい存在ですが、経験値が少ない場合、周りの要望を全部受け入れてしまい、キャパオーバーになることもあります。
③弁別性因子
相反する二律にはっきりと分けようとする力の源泉となる因子。
弁別性は、白黒はっきりさせる力です。合理的で計算的であることも特徴です。ドライで、常にどうすれば合理的なのかを考えて行動します。物事を都合よく割り切ることができる一方で、感情があまり介入しないため機械的で冷たく見られることもあります。
④拡散性因子
飛び散っていこうとする力の源泉となる因子。
拡散性は、飛び出していこうとする力です。活発で行動力があります。直接的で、面白いことなら周囲を気にせずどんどん取り組むので、「挑戦的だ」と評価される一方、飽きっぽいため周りを振り回すタイプでもあります。
⑤保全性因子
維持するために工夫改善していく力の源泉となる因子。
保全性は、維持しながら積み上げる力です。プランを立て、工夫しながらコツコツと進めていくのが得意です。組織を作るのがうまく、周りと強調しながら動くことができます。慎重で安全第一なため、なかなか行動することができない時もあります。
学び型とは?
拡散性、保全性とも「情動(先天的)」による行動判断に関わる因子です。どちらも生まれつきの性向が強く出るため、その人の行動に大きな影響を与えます。
残る3つの因子は社会的(後天的)な影響が大きいと考えられます。
そのため、「あなたが伸びる学び型」では、生まれつきの性向が強く、その人の行動に大きな影響を与える「拡散性」と「保全性」の2つの因子が「学び」に大きな影響を与えるという観点から、「学び型」を「拡散性」と「保全性」の2つの因子に絞って紹介しています。
自分に合った学習スタイルを知るには、拡散性と保全性のどちらが高いかで判断しますが、他の3つの因子は、社会性に関わる因子ですので、どんな教材(どんな人)から学ぶといいか、「正解」と言える理由や背景を知りたいかどうかを判断する材料になります。
ちなみに、日本人の65%は「保全性」の因子が「拡散性」の因子より高く、35%がその逆となります。
本書では、「拡散性」の因子が「保全性」の因子より高ければ「拡散型」、「保全性」の因子が「拡散性」の因子より高ければ「保全型」として「学び型」を表記しています。
「拡散性」「保全性」と学びの「型」
体験を通して概念化するのが「拡散性」の学び方
「拡散性」高い人の学びは、まず興味から入ります。「拡散性」は気質に起因する因子であり、「好き」や「面白そう」などの情動が学習動機になるからです。
「拡散性」の高い人にとって、学びのキーワードは「体験」です。
気分のままに様々な分野に触れるのは大前提として、そこで数々の失敗や成功の体験を積むことが重要です。それを通して体験に共通する「普遍性」や「法則性」に気づくことができるからです。
「脈絡のない体験を繰り返しながら、一つの概念に昇華させていく」のが、「拡散性」が高いタイプの学び型です。
「概念」の意味は、「経験される多くの物事から共通の内容を取り出し(抽象)、個々の物事のみに属する偶然的な性質を捨てる(捨象)こと」です。つまり概念化とは、「枝葉末節を削ぎ落し、本質に迫ること」と言い換えることも出来ます。
積み上げて体系化するのが「保全性」の学び方
「保全性」も気質に起因するため、「好きなもの」や「興味がある」ことに積極的に取り組もうとします。
ただし、「失敗したくない」「確実に実現させたい」という気持ちが強いので、じっくりと準備をして計画を立ててから進めます。
また、周囲の目が気になるので、もし「嫌い」「興味がない」と思っても、最初から突き放すことはありません。
周りの状況を見ながら、「やったほうがよさそう」と感じたら、嫌なことや興味のないことにも取り組みます。
「保全性」の高い人にとって、学びのキーワードは「情報収集」です。
事前に情報収集しておけば、あれこれ試しながらやり方を見つける手間が省けると考えるからです。
未知の領域には不安を感じるため、その不安を払拭できるまでは行動よりも準備や計画に時間を使います。
出来る限り自分のエネルギーを使わず、リスクを背負わずに、確実に実現したい。そのためには情報収集が不可欠なのです。
「獲得した知識を系統化して整理し、インデックスをつけて、いつでも引き出せるように「体系化」していく」のが、「保全性」が高いタイプの学び型です。
「体系」の意味は、「一定の原理で組織された知識の統一的全体のこと」です。知識が体系化されている人は、いわゆる「引出しの多い人」です。初めてのケースに遭遇しても、体系化された知識から関連する情報を引っ張り出して、対処することができます。
体系化された知識の代表格といえば「教科書」といえるでしょう。
国語にしても算数にしても、学習指導要領に則り「教科書通りに進める」ことが、体系化された学習方法に他なりません。
その意味で、教科書は日本では多数派である「保全性」の高い人にとって安心できて、一番理解しやすい教材なのです。
「拡散型」「保全型」の 学び型のポイント
大切なのは、自分の学び方のクセを理解し、それを活かして強みに変えることです。
「拡散性」の高い人は概念化の学び型を極め、「保全性」の高い人は体系化の学び型を極めれば強力な武器になります。
拡散性は「体験の質」がポイント
「拡散性」の概念化の学びの場合は、「体験の質」を上げることがポイントです。
一つひとつの体験から気づきを得て、普遍性や法則性を見つけていくには、体験を通した仮説・検証が必要です。
そこで、体験して「面白かった」とか「つまらなかった」という感想だけで終わるのではなく、「こうするとうまくいくと思ったけれど、うまくいかなかったな…次はこう変えてみよう」と仮説・検証することで学びになります。
概念化の学びを極めた人は、物事の本質を理解し、本質以外のことは自然と削ぎ落とすことができています。
いわゆる「センスが良い」とか「勘所を押さえている」などと評価される人たちです。
「保全性」はレンガを積むように学ぼう
「保全性」の体系化による学びでは、知識をきちんと積み上げることが大事です。
そのためのイメージは「レンガの壁」です。隙なく、漏れなく、レンガを一つずつ積み上げて壁を作るように学ぶのです。
隙間なく、順序よく積み上げることが、結果として物事を理解するための「軸」を作りあげる、と言い換えることもできます。
「軸」を持てるまでに至れば、ただ知識を記憶しているだけではなく、未知の状況でも「あの体系が応用できるのでは」と、推論し、対応できるようになる。なぜそう考えるのかも理路整然と説明できる。
「軸」を持てるまでに至れば、ただ知識を記憶しているだけではなく、未知の状況でも「あの体系が応用できるのでは」と、推論し、対応できるようになる。なぜそう考えるのかも理路整然と説明できる。
こうなると「保全性」が高い人は強いのです。「拡散性」が高い人の場合の「概念化」に相当する境地でしょう。
「拡散性」高い人の学びの型は、面白いと感じる体験から「概念化」することで、「保全性」の高い人の学びの型は、順序よく着実に積み上げ「体系化」することなんですね!
人に教える際はそれぞれのタイプに合った型を用いることが基本になります。
学びの基礎になる「型」とは?
「拡散性」「保全性」のそれぞれに合った「学び型」として、拡散性には「概念化」の型が、保全性には「体系化」の型があります。
個性によって勉強の仕方や物事の進め方は違うわけですが、一方で、これとは別に、両タイプに共通する「基本の型」があります。すなわち、勉強の土台、学びの基礎としての「型」です。
「拡散性」高い人も、「保全性」の高い人も、これを身につけることなしに深く学ぶことは出来ません。
しかし、「基本の型」を身につける方法は、拡散性と保全性で異なります。
共通する「基本の型」とは?
- 伝統・習慣として決まった形式
- 武道・芸能・スポーツなどで規範となる方式
- ものを類に分けた時、それぞれの特質をよく表した典型・形式・形態・タイプのこと
基本の型とは、「伝統や習慣として決まった形式」であり、「規範となる方式」であり、なぜそれらが習慣、規範となったかと言えば、理に適っているからです。
「学ぶ」という言葉は、「真似る」という意味の古語である「まねぶ」が語源とされています。
このことからも分かるように、学びは「真似る」ことから始まります。
先生が示す手本を真似ながら身につけていくものが、「型」と呼ばれるものです。
「真似ることを学ぶ」という「基本の型」から、すべての学びはスタートします。
「拡散性」が高い人は「型」を嫌いがち
「拡散性」の高い人は、「自ら飛び出す」ことで問題を解決しようとする傾向がありますので、「作法や型なんて古臭い」「自分らしさや自由が損なわれるから嫌だ」と型を窮屈に感じて嫌ってしまいます。
自由に動き回れる環境を好み、人とは違うことをやりたがります。オンリーワンな存在でいたいのです。また、同じことの繰り返しもすぐに飽きてしまします。
「拡散性」の高い人にとって、制約こそが何よりもストレッサー(ストレスを引き起こす原因)になります。
「保全性」の高い人は「型」を欲しがる
「保全性」の高い人は、基本的には「型」を学ぶことには従順です。
なぜなら、「保全性」の高い人は、自分で何かを生み出すより、「今あるもの」を最大限に使って問題を解決しようとする傾向があるからです。
「保全性」の高い人にとっては、明確な指針のないことがストレッサーとなるので、むしろ型があると安心なのです。
「基本の型」を習得するには?
拡散性でも保全性でも、基本的な型は練習の繰り返しで身につけるしかないのですが、向き不向きは存在します。
反復練習に意欲的に取り組みやすいのは、「保全性」の高い人です。コツコツと積み上げていける個性なので、同じことを繰り返すのは苦になりません。
その繰り返しの中で少しずつ、「よりよくしよう」と試みるのが「保全性」の高い人の特徴であり、強みなのです。
一方、「拡散性」の高い人は、どちらかといえば反復練習が苦手です。飽きっぽいので、「同じことの繰り返し」と思うと興味を失ってしまいます。
拡散性の高い人の習得方法
「拡散性」の高い人が反復練習に取り組むには、その練習に「意味」を見出すことが大切です。
型や基礎がなければやりたいことも出来ないし、「型や基礎があるから独創的になれる」。
このことを十分に理解すれば、反復練習の先に独創性を発揮するオンリーワンな自分の存在を確信し、反復練習しながら「妄想することがより面白く」なるでしょう。
もう一つ、「拡散性」の高い人が型を身につけるのに向いた方法があります。
それは、「師匠に学ぶ」というスタイルです。自由でいたい「拡散性」の高い人は、「一人がいい」と思い、制約されることを嫌う傾向があります。
しかし、「自ら慕う人のことは絶対」と受け入れる面もあり、尊敬する相手のレベルに近づくためなら、その人の言動を真似ることも、反復練習の厭いません。
「拡散性」の高い人は、そういう師匠を探すと良いでしょう。
保全性の高い人の習得方法
「保全性」の高い人は型の習得と相性がいい反面、落とし穴もあります。
それは、型にとらわれ過ぎるあまり、「型に当てはまりさえすれば大丈夫」と安心して考えなくなる、思考停止状態に陥る傾向があることです。
つまり、型をベースに考えるよりも、基本パターンをたくさん覚える方が楽だと感じて、覚える事に終始します。
引き出しは増えますが、「自ら考えることをしないので、本当の意味での応用が利かなくなる」のです。
そして、自分の引き出しにはない応用編の出題を見て、「これは覚えていない」と急に不安が襲ってくるのです。
このように、「保全性」の高い人は、本来手段であった型が、守るべき対象として目的化してしまうことがあります。手段の目的化も、「保全性」の高い人が注意したい点です。
反復練習の苦手な「拡散性」は「意味」を考えることが大切で、型を欲しがる「保全性」はハマり過ぎに注意することが大切なんですね!
「学び型」の磨き方
「基本の型」を自分のものとして学びの基礎を築いたら、次はそれぞれの個性に合った型を身につけて、学びを深化させていきます。
ただし、最初に覚えた型をそのまま使い続けるだけでは、学びは深まっていきません。
「型」そのものも発展させていく必要があります。個性の差で発展の方向も大きく異なります。
「拡散性」が高い人の型の磨き方
「拡散性」の高い人は型をどのように磨き発展させていくのでしょうか?
学びの基礎である型を「守るべきもの」と捉えた場合、拡散性は、型を「守」ることから「破」り、「離」れる、へと進んでいきます。いわゆる「守破離」の考え方です。
- 「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階のこと。
- 「破」は、他の師や流派の教えも参考にしながら、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階のこと。
- 「離」は、元々の流派から離れ、独自の新しいものを生み出して確立させる段階です。
基本として守るべき「型」を身につけた後、それを破りつつ、さらに離れていくのが「守破離」です。
「拡散性」の高い人が守破離の考え方と相性がいいのは、「捨てるのを躊躇しない」からです。
同じことの繰り返しに飽きるのが早いので、どんどん別のことに興味が移っていくので、今まで積み上げてきたことは簡単に捨てられます。要は「積み上げていくこと」に興味が湧かないのです。
「保全性」が高い人の型の磨き方
「保全性」が高い人が磨き込む「型」の到達点はどこでしょうか?
「型」が使いやすく、様々な場面に対応できるように工夫されていくと、「普遍性」が生まれます。究極を言えば「誰でも使えて、何にでも応用が利く」。
「保全性」の高い人が、型を発展させて目指すべき頂点は、「世界の標準化」です。
「保全性」の高い人は、同じことに繰り返し取り組みながら、工夫改善していくことが得意です。「こうすればもっと良くなる」という発想です。
磨き上げるために大事なのは、「数」です。数をこなし、何度も繰り返すことで、なんとなくコツが掴めてきます。そして、また手を加える。「良くなった感覚」を覚える…そしてまた…、という感じで改善が進んでいくのです。
「拡散性」の高い人は、型を身につけた後、取捨選択して発展させる。
「保全性」の高い人は、型を改善し、不備を補い深めていくと良いのですね!
「型」は磨き、洗練させ、応用が利くように出来るものという事ですね!
それぞれの型に合った目標設定の仕方とは?
FFS理論で考えれば、「個性が違えば目標の立て方も異なる」となります。
将来の夢をすぐに見つけて動き出せる個性もあれば、そうでない個性もある。
良い悪いではありません。単純に向き不向きの問題です。大切なのは、自分に合った目標の立て方を知ることです。
自分の型に合わせた「目標設定」をして、勉強を効率的にこなせる「型」を手に入れましょう。
目標設定に苦労しない「拡散性」
「拡散性」の高い人は、基本的に「面白い事をしたい」と思っています。
「世の中にはまだないモノを作りたい」「誰も見向きもしないニッチな領域に挑戦したい」「世間から『終わった』と思われているものを復活させたい」など、他人とは違うこと、自分にしかできないことをやりたがります。
最初は個人的な興味・関心から動き始めますが、次第に社会課題の解決に興味が移っていきます。
解決の難しそうな社会問題ほど闘志を燃やし、社会課題に苦しむ人たちを救う場面を想像したりしてワクワクします。
そのため、かなり大きな夢を平然と語り、周囲を驚かせますが、「大きなことをやりたい」というより、あくまで「自分が面白いことをしたい」のです。
また、夢や目標を持つこと自体には苦労がない「拡散性」が高い人が注意する点は、目標設定が容易いことの裏返しとしての飽きっぽさ、移り気があります。
これを抑える対策としては以下の2つがあります。
- 「拡散性」の高い人は基本的に「移り気」ですが、興味が続く間は夢中になります。それに対応するには、本気で「惚れる」ことです。
- 「オンリーワンである」ことは、「拡散性」の高い人にとってなによりの動機付けとなるので、「誰も取り組まない」テーマを選び公言したりすることもよいでしょう。
「拡散性」の高い人は、実社会に触れる体験を数多くして、遊びきることが大切です。
そのうちに、「自由である」ことも飽きて、むしろ「制約」が欲しくなるのです。制約を超えることが新たな動機、目標になったらしめたものです。
身近なことに関心が向き、できることを増やしたい「保全性」
「保全性」の高い人は、「やりたいこと」を考えてワクワクするより、周りから「できない」と思われたくないので、「何でもできる人間になりたい」と考える傾向があります。
ですから、「保全性」が高い人が採るべきは、身近なところから目標を立て、「できること」を徹底的に積み上げていくことです。
やりたいことを探すよりも、「できることを増やす」ことの方が取り組みやすいはずです。
できることを増やして視野を広げ、視座を高めていけば、出来そうなことの延長線上に「やってみたいこと(夢)」が見つかります。
山に例えて言うなら、「保全性」の高い人は、そもそも「どの山に登りたいのか」、「そこで何をしたいのか」が自分でもなかなか掴めません。
これは、掴めないから良い/悪いという話ではなく、分からないのなら「一番高い山を目指せ」という事なのです。それが、「保全性」の高い人が採るべき選択肢というわけです。
「拡散性」の高い人は、次々目標を変えないために「惚れる」工夫をする事が大切で、「保全性」の高い人は、まず目の前の登れそうな山を登り切ってみる事が大切なんですね!
目標設定も「拡散性」と「保全性」の違いで大きく変わることがポイントです。
計画を「型」で管理する
「目標」を設定出来たら、次は目標に到達するための「計画」が必要になります。
計画にも自由度がないとダメな拡散性
「拡散性」の高い人は、無理に緻密な計画を立てるよりも「面白そうなことからやる、興味のままにテーマを変える」くらいの自由度があったほうが、むしろ「計画的(〆切に間に合う、結果を出すという意味で)」に進みます。
興味が湧くものを、気が向いたときにやりたい。持続力には欠けますが、気分が乗ったときの集中力や瞬発力が「拡散性」の高い人の武器なのです。
「拡散性」の高い人が、自由に動いているのに成果を上げられないのは、「ここに気をつければ、自分は飽きずに続けられる」という体験が不十分、あるいはちゃんと言葉に出来ていないからです。
つまり、「経験を通して、自分の『飽きやすさ』に対処する法則を見つける」ことが重要になってきます。
結論として、「拡散性」の高い人は、目標を遥か先に置き、計画自体はラフに作り、「短期集中」を連続させるというやり方が現実的です。これすなわち、「飽きることは前提」で取り組むということです。
「ちゃんとした計画」を立てる保全性
「保全性」の高い人は、毎日のノルマを決めて、それをコツコツと積み重ねていく方法が向いています。
例えば、毎日50個の英単語を覚えて、それを完璧に覚えたことを確認し、次の50個に進む。このように、地道に積み上げていく作業を持続できるのが、「保全性」の高い人の持ち味です。
ですが、「保全性」の高い人が、自分の立てた計画が守れない一番の原因は、計画の稚拙さです。
よくありがちなのは、「これくらいは進めておきたい」といった希望的観測で計画を立てたり、やることを詰め込み過ぎたりして、現実味のない無茶な計画になってしまうことです。
解決方法としては、計画の立て方も体系化することです。計画→遂行を何度か繰り返してみて、自分が計画どおりに進めなかった要因は何か?(自分の集中力の持続時間はどのくらいか、科目による違いは、順序を変えるとどうなるか、体調を維持できる睡眠時間、食事のタイミング)を探り、どのような計画ならズレが生じないかを考え、計画に反映していきます。
自分が作り上げた計画通りに学習や仕事を進めることができ、成功経験が生まれると、「保全性」の高い人の学びはめきめきと進みます。
「拡散性」の高い人は、「飽きる自分」の制御方法を見つける事が大切で、「保全性」の高い人は、仮説と検証で計画の制度を上げる事が大切なんですね!
計画を守れないことには「拡散性」「保全性」ごとに違う理由があるという事です。
本書を読んでみての感想
人気コミック「ドラゴン桜」とFFS理論を組み合わせた勉強方法で、文画サンド方式という非常に読みやすい書籍だと感じました。
本書を読み、勉強とは楽しいものであり、学びによって人はご機嫌になったり、ワクワクするのが本来の姿なのではないかと感じました。
その勉強の楽しさを今一度取り戻すために、「自分が何かに夢中になるのはどんな時か」「どんな環境なら機嫌よく学べるのか」を、本書を読んだ読者の方なら感じているのではないかと思います。
「自分に合った学び方を学ぶ」。これをキャッチコピーとしている本書をきっかけに、「勉強=我慢、辛抱」という思考の呪縛を解き放つことができれば幸いだと思います。
私自身、本書を読んで、個性によって学び方や物事の進め方が全く違うことに驚きました。
しかしながら、FFS理論を学んだ今なら「ルールを束縛に感じる人」と「ルールがあった方が安心出来る人」がいるという事も理解出来ます。
世の中には、矛盾した2つのやり方があり、一見するとどちらかが間違っているように思えるけど、実はそのどちらもが正解だということ。ただ、そのやり方が合っている人と別のやり方が合っている人がいるだけだということ。
本書は、FFS理論による自己理解も出来て、自分に合った学び方も学べる良書だと思います。是非、楽しく学ぶための手引きとして参考にして頂けると嬉しいです。
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人気コミック「宇宙兄弟」を題材にして、人の個性への理解を深め、個性の活かし方を「宇宙兄弟」のキャラクター25人に準えながら、FFS理論で分かりやすく説明しています。
この理論で診断される個性を知れば、自分の強みや弱みだけでなく、「なぜこの場面で相手がこんな行動や考え方をするのか」「なぜ相手は不愉快になったのか」が分かります。
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